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⑪脊髄刺激療法(SCS)について
神経ブロックの効果が一時的で難治性の場合に、当科では脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation,以下SCS)を行っています。痛みは脳で感じますが、痛みの発生部位から脳に向かう痛みの信号を、脊髄に微弱な電気を流すことで変化させて、痛みを和らげます。
SCSの適応を判断するために、まずはリードだけ硬膜外腔へ挿入し、体外刺激装置に接続して、数日~2週間の試験刺激(トライアル)を行います。全てではないですが、トライアルで得られた鎮痛効果が長期持続することがあります。
トライアル後に痛みが元に戻った場合は、刺激装置を体内に植込む手術を検討します(本植込み)。術後は、患者さんご自身が必要に応じて刺激装置を操作することで、痛みをコントロールできるようになります。
SCSによって痛みを和らげ、眠る、座る、歩くなどの日常生活動作を改善させ、また痛みのためにできなかったリハビリも適宜行って、体力増強、生活の質(QOL)の向上を目指します。
SCSがよく効く痛み
頸椎/腰椎手術後における上下肢の神経障害性疼痛
複合性局所疼痛症候群(CRPS)
末梢神経障害性疼痛
末梢血管障害による疼痛
難治性の狭心症
外傷/放射線照射後の腕神経叢損傷
SCSが効くと思われる痛み
断端術後疼痛(断端痛>幻肢痛)
脊椎術後の体幹部痛
開胸術後/帯状疱疹による肋間神経痛
脊髄損傷後疼痛
SCSが効きにくい痛み
脊髄由来でない中枢痛
脊髄後索機能が消失した脊髄損傷
会陰部痛および肛門痛
SCSが効かない痛み
完全脊髄断裂
非虚血性侵害受容性疼痛
神経根引き抜き損傷
トライアル
本植込み
体内刺激装置
体外刺激装置
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