ご挨拶
「ペイン」とは、英語で「痛み」という意味で、つまりペインクリニックとは、「痛みの治療を専門とする診療科」です。もともと痛みは、身体の異常事態を知らせる「警告反応」です。その多くは原因の改善とともに痛みも軽減し、消えていきますが、稀に痛みだけが残ってしまうケースがあります。その場合、より強い痛みや別の痛みが出たり、不眠や不安・抑うつなどの精神的な不調につながったりすることもあり、日常生活や社会生活も困難になってきます。
当科では、痛み止めが効かない、手術を避けたい、手術後の痛みなどの複雑化した痛みで、腰下肢痛、頚部痛、肩こり、関節痛、神経痛など、運動器疾患の痛みや帯状疱疹の痛みを多く診療しています。
治療によって痛みが和らぐと楽にはなりますが、慢性痛となると、これまでの生活スタイルでは治療効果が長続きしません。姿勢や歩き方の矯正、質の良い睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動などの実践がとても大切になります。私たちは痛みを和らげるだけでなく、患者さんと一緒に普段の生活習慣や姿勢を見直し、リハビリや骨粗鬆症治療なども行って心身ともに丈夫に元気にしていきます。
また脳卒中後遺症や脊髄損傷、脳性麻痺などによる『痙縮(けいしゅく:筋肉のこわばり)』の治療も行っています。つらい痛みや痙縮にお悩みの人は、どうぞご相談ください。
予約・相談窓口:0957-23-2388(代)
午前中は電話が混みあいますので、平日の午後にお電話ください。
令和5年10月 金出政人
初診の患者様へ
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初診の際は、保険証、各種医療証のほか、紹介状や他院での検査結果(レントゲン写真、MRI、血液検査など)、お薬手帳や薬局の薬剤情報提供書などありましたらご持参ください。必要に応じて当院でも再検査を行うことがあります。
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外傷、労災、自動車事故(損害保険での診療)の診療は行っていませんので、ご注意ください。
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注射治療希望の際は、注射しやすい服装での受診にご協力をお願いいたします。尚、血液をサラサラにする薬が投与されている場合や、合併症(コントロールの悪い糖尿病など)によっては注射治療ができない、または入院が必要な場合がありますのでご了承ください。
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注射後は数時間ほど、安静が必要になることがあります。お車を運転して来院される場合は、時間にゆとりを持って受診してください。
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当科は予約制です。ご予約の際は必ずお電話いただきますようお願いいたします。
予約・相談窓口:0957-23-2388(代)
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診療内容
検査:X線(レントゲン)、超音波(エコー)、CT、MRI、骨密度(DEXA法)、ABI(上腕下肢血圧比検査)血液・尿、診断的ブロック※、硬膜外造影CT※などの検査を行って、より正確な診断に努めています。
※診断的ブロック:神経や関節などに局所麻酔剤を注射して、痛みの発生部位を判定する手法。
痛みが軽減 → 注射した部位が痛みの発生部位である
痛みが変わらない → 注射した部位とは違う部位に痛みの原因がある
※硬膜外造影CT:硬膜外腔へ造影剤を注入後にCT撮影することで、硬膜外腔の癒着部位を詳しく確認できます。この結果で、硬膜外腔癒着剝離術(PEA)の適応を判定します。
①ブロック療法
ブロック療法とは、痛む部位の神経や関節に局所麻酔剤を注入して、一時的に神経の興奮をブロック(遮断)することで、痛みを軽減する治療法です。ブロック療法によって、痛みから生じた筋肉の緊張や、交感神経の緊張も和らぎ、血流が改善します。これら効果は麻酔剤の効果が切れた後も持続します※。またブロック療法により、これまで効かなかった痛み止めが効くようになったり、痛みがコントロールされることで、不安や抑うつ、不眠など精神的ストレスの軽減も期待できます。
炎症を伴う痛みに対しては、ステロイドを局所麻酔剤に混ぜて注入することで、内服薬よりも強力に炎症を抑え、またステロイドの全身性の副作用も軽減できます。
当科のブロック療法は、超音波装置や透視装置を用いて、安全かつ正確な注射に努めています。また細い針を用いたり、神経の周囲に薬液を注入するなどして、できる限り痛くない注射治療を心がけています。
※効果には個人差があります。
④非観血的関節授動術(肩)
五十肩(肩関節周囲炎)は、加齢などによって柔軟性が低下した肩関節周囲の組織が傷ついて炎症を生じ、肩の痛みや運動制限をおこした状態です。薬物療法や理学療法(リハビリテーション)、温熱療法などで改善しない場合は、重症化した凍結肩(癒着性肩関節包炎)の可能性があります。当科では超音波(エコー)で凍結肩を診断し、神経ブロック下に非観血的授動術を行っています。
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⑤硬膜外腔癒着剥離術(PEA)
脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、脊椎手術後、変性側弯症などで、ブロック療法が効かない腰下肢痛や頚肩腕痛があり、硬膜外造影CT検査で、硬膜の腹側や神経根周囲に癒着が認められた場合に手術適応となります。PEAは特殊なカテーテルを用いて癒着をはがし、またステロイドなどの薬液を注入することで神経の炎症を抑え、痛みを改善する治療です。2018年から保険適応となっています。
当科では2023年12月現在までに丁度100例に手術を行いましたが、平均手術時間は約30分で、術後1時間後には食事やトイレが可能となります。非常に強い癒着や広範囲に癒着があると、1回の手術で癒着を全てはがすことは困難ですが、カテーテル手術のため何度でも再手術が可能で、手術を受けるごとに癒着がはがれ、症状もより改善していった例を多く経験しています※。
※効果には個人差があります
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⑥多血小板血漿療法(PFC-FD療法)
多血小板血漿療法(PRP療法)の一つであるPFC-FD療法は、ご自身の血液から作った、『血小板由来成長因子濃縮液を凍結乾燥保存したもの』を患部に注射する治療です。血小板が傷を治す際に放出する『成長因子』の働きを活用し、人体がもともと持っている『自己治癒力』を利用する新しい治療法です。PFC-FD療法は自由診療のため、公的医療保険が適用されませんのでご注意ください。
参 考:PFC-FD療法(血液由来の成長因子を用いたバイオセラピー)とは | ひざ | 関節治療オンライン (seikei-online.jp)
PFC-FD療法で改善が期待できる疾患
変形性関節症(膝・股・肘・足首)、靭帯損傷(膝十字靭帯損傷・肘関節靭帯損傷)、腱炎(テニス肘・膝蓋腱炎・アキレス腱損傷・足底腱膜炎)、筋損傷(肉離れ)など
PFC-FD療法の流れ
※PFC-FD療法をご希望の方は本治療の適応であるかを診断するために、まずは通常の受診をしていただきます。また採血日から注射日まで最短で約3週間かかりますのでご注意ください。
施術料:15万円(税別)
※血液感染症検査が陽性の場合は、PFC-FDを作製できません。その場合には感染症検査料1万5千円(税別)のみお支払いいただくことになります。従来の保存治療に効果がない方、手術治療を望まない方、PFC-FD療法にご興味がある方はペインクリニック外来までお問い合わせください。
⑦ボツリヌス療法
脳卒中の後遺症としてみられる運動障害のひとつに「痙縮(けいしゅく)」という症状があります。痙縮とは、筋肉がつっぱり、手足が動かしにくくなったり、勝手に動いてしまう状態のことです。このような状態になると、手の指が握ったままで開きづらい、肘が曲がり伸びづらい、足の先が足の裏側の方へ曲がって歩きづらいなどの症状により、日常生活に支障をきたしてしまいます。また、痙縮そのものがリハビリテーションの障害となることもあるので、痙縮に対する治療が必要になります。
ボツリヌス療法とは、いくつかある痙縮治療の一つで、ボツリヌストキシンを筋肉内に注射し、痙縮を改善させ、リハビリテーションを行いやすくする治療です。ボツリヌス療法によって、次のような効果が期待できます。
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手足の筋肉が柔らかくなり、動かしやすくなる。
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リハビリテーションを行いやすくなる。
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関節が固まるのを防ぐ。
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痛みをやわらげる。
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介護の負担を軽減する。
当科では、リハビリテーションを担当する理学療法士や作業療法士と協力して、ボツリヌストキシンを施注する最適な筋肉を検討しています。また超音波(エコー)を見ながら、目標筋肉に正確に注入しますので、安定した効果が得られています※。
※効果には個人差があります。
参 考:
手足のつっぱり「痙縮」情報ガイド | あきらめないで!脳卒中の後遺症 (keishuku.jp)
手足のつっぱり(痙縮)リハビリサポート (keishuku-reha.com)
⑧バクロフェン髄注療法(ITB療法)
脳や脊髄の異常で生じる筋肉の緊張(痙縮;けいしゅく)に対して、当科では内服療法やボツリヌス療法に加えて、バクロフェン髄注療法(ITB療法)を行っています。ITB療法は、バクロフェンというお薬を作用部位である脊髄の周囲へ、カテーテルを通して直接投与することにより、全身の痙縮をやわらげる治療です。腹部皮下に薬剤注入ポンプを埋込み、薬剤投与速度をリモートコントロールして、全身の痙縮を適度に緩和します。 参 考:脳や脊髄の病気やけがの後遺症でお困りの方へ 手足の筋肉のつっぱり(痙縮) ITB療法のご紹介 (itb-dsc.info)
⑨帯状疱疹予防ワクチン
帯状疱疹とは、体の片側の一部にピリピリとした痛みが現れ、その部分に水ぶくれを伴う赤い発疹が出現する病気です。日本人成人の90%以上が帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。また、帯状疱疹に1度かかった人でも、体の免疫力が低下すると、再びかかる可能性があります。 帯状疱疹が頭部、顔面に出ると、目や耳の神経が障害され、めまい、耳鳴りなどの合併症、重症化すると視力低下や顔面痛など重い後遺症が残ることがあります。また帯状疱疹が治った後も長期に痛みが残ることがあり、帯状疱疹後神経痛(PHN)と言われています。50歳以上で帯状疱疹になった場合、約2割がこのPHNになると言われています。
50歳以上の人、または帯状疱疹に罹患するリスクが高いと考えられる18歳以上の人は、帯状疱疹予防ワクチンの接種ができますのでご相談ください
当院で接種できる2種類の帯状疱疹ワクチンの特徴
⑩椎間板内酵素注入療法「ヘルニコア®注入療法」について
椎間板内酵素注入療法『ヘルニコア®注入療法』について
『ヘルニコア®』は椎間板ヘルニアを縮小させ、症状を改善させる注射薬です。使用にあたっては、厳密に適応を検討する必要があり、事前の診察とレントゲン、MRI撮影が必須です。またヘルニアは大きく分けて4つのタイプがありますが、その中でも「後縦靭帯下脱出型ヘルニア」だけに使用することができます。
神経根症状(一側の下肢症状)の方は投与できますが、馬尾症状(両下肢のしびれ、排尿障害)がある方には使用できません。また高度に変性した椎間板、すべりを生じている、ヘルニアがいくつもある、骨粗鬆症、リウマチ、20歳以下、70歳以上、妊娠中・授乳中の方への効果と安全性は確認されていません。
ヘルニコア®の投与は一生に1回のみです。アレルギーが発現する可能性が高くなるため、再投与はできませんのでご注意ください。
〈ヘルニコア®注入療法の流れ(当科では3日間の入院で行っています)〉
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入院1日目、透視下に椎間板ブロックおよび椎間板造影CT検査を行い、後縦靭帯下脱出型ヘルニアで、ヘルニアに骨化がないことを確認します。
※で、またはと診断された場合は、ヘルニコアの適応外になりますが、このタイプは椎間板ブロックが有効なことが多く、また白血球による貪食でヘルニアの自然消失が期待できます。また、ヘルニアが骨化していた場合は、ヘルニコアによるヘルニア縮小効果が得られない可能性が高く、当科では別の治療(パルス高周波法、硬膜外腔癒着剥離術など)を検討しています。
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入院2日目、椎間板ブロックと同様に針を穿刺し、ヘルニコア®を目標椎間板内に注入します。
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注射後は、1時間ベッド上で休んでいただきます。また簡易コルセットを装着していただきます。
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入院3日目、効果と副作用を確認し、問題なければ退院となります。
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退院後1週間は重いもの(5㎏以上)を持たないでください。またコルセットを装着し、腰を強く曲げる、ねじる動作を避けてください。
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1~3か月後にレントゲン、MRIを撮影し、効果を判定します。
〈効果について〉
下肢痛は13週間で平均49.5%改善するとされていますが、注射の効果には個人差があります。注射直後から効果があるわけではいことをご了承ください。
当科の使用経験では、椎間板ブロックの効果もあって退院時には痛みが軽減している例もありますが、ヘルニアは数か月かけて縮小します。従って、症状だけでなく、MRIで十分にヘルニアが小さくなったことを確認するまでは、コルセットで保護し、腰に負担をかけないように気をつけてください。
〈副作用について〉
注射施行時に針が神経根にあたる可能性があり、その際は一過性に放散痛を生じる可能性があります。また薬のアレルギーを生じる可能性があり(2.6%)、その場合は適切な処置が必要になります。その他、経過観察中に腰痛(22.3%)、下肢痛(4.8%)を生じることがあり、薬物療法、神経ブロック治療などが必要になることがあります。また一部に、腰椎の不安定性や、椎骨に変性を生じる危険性(23%)がありますが、これに対して特別な治療は必要ありません。
手術を完全に回避できる治療法ではないことをご了承ください。
令和6年2月 菅整形外科病院
ペインクリニック・整形外科
金出 政人(Kanaide Masato)
脊髄刺激療法(SCS)
神経ブロックの効果が一時的で難治性の場合に、当科では脊髄刺激療法(Spinal Cord Stimulation,以下SCS)を行っています。痛みは脳で感じますが、痛みの発生部位から脳に向かう痛みの信号を、脊髄に微弱な電気を流すことで変化させて、痛みを和らげます。
SCSの適応を判断するために、まずはリードだけ硬膜外腔へ挿入し、体外刺激装置に接続して、数日~2週間の試験刺激(トライアル)を行います。全てではないですが、トライアルで得られた鎮痛効果が長期持続することがあります。
トライアル後に痛みが元に戻った場合は、刺激装置を体内に植込む手術を検討します(本植込み)。術後は、患者さんご自身が必要に応じて刺激装置を操作することで、痛みをコントロールできるようになります。
SCSによって痛みを和らげ、眠る、座る、歩くなどの日常生活動作を改善させ、また痛みのためにできなかったリハビリも適宜行って、体力増強、生活の質(QOL)の向上を目指します。
SCSがよく効く痛み
頸椎/腰椎手術後における上下肢の神経障害性疼痛
複合性局所疼痛症候群(CRPS)
末梢神経障害性疼痛
末梢血管障害による疼痛
難治性の狭心症
外傷/放射線照射後の腕神経叢損傷
SCSが効くと思われる痛み
断端術後疼痛(断端痛>幻肢痛)
脊椎術後の体幹部痛
開胸術後/帯状疱疹による肋間神経痛
脊髄損傷後疼痛
SCSが効きにくい痛み
脊髄由来でない中枢痛
脊髄後索機能が消失した脊髄損傷
会陰部痛および肛門痛
SCSが効かない痛み
完全脊髄断裂
非虚血性侵害受容性疼痛
神経根引き抜き損傷
トライアル
本植込み
体内刺激装置
体外刺激装置
医師紹介
活動紹介(ペインクリニック関連)
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2023年
6月、旭化成ファーマ社内研修会(長崎)講師「変形を進行させない痛みの治療は可能か?~令和Ver~」
6月、第98回日本医療機器学会大会(横浜)参加
7月、日本ペインクリニック学会第57回学術集会(佐賀)参加
9月、非観血的肩関節授動術(凍結肩の治療)、150例目実施
11月、第9回九州・山口ITB療法カンファランス(福岡)参加
11月、ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)9例目実施(長崎大学)
11月、椎間板内手術(L‘DISQ手術)見学(佐賀大学)
12月、硬膜外腔癒着剝離術(難治性の腰痛、頚部痛の治療)、100例目実施
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2022年
2月、第2回九州支部学術集会-日本ペインクリニック学会参加(WEB)
3月、ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)6例目実施
7月、日本ペインクリニック学会第56回学術集会(東京)参加
7月、旭化成ファーマ社内研修会(長崎)講師「なかなか治らない痛みの治療と、長崎小話」
9月、痙縮治療 update in 諫早 – 臨床課題と展望 ウェビナー 座長
9月、痛みの治療を考える会(WEBセミナー、長崎県)講師「当科の慢性疼痛診療」
12月、第44回日本疼痛学会(岐阜)参加
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2021年
1月、非観血的肩関節授動術(凍結肩の治療)、100例目実施
3月、第一三共株式会社社内研修会(長崎)講師「当院の周術期管理と、当科の慢性痛治療~鎮痛薬の中止と再開、減量の仕方について~」
7月、帝人ヘルスケア株式会社社内研修会(長崎)講師「当科の痙縮治療」
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2020年
1月:ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)3例目実施
2月:ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)4例目実施(於:長崎大学病院)
10月:旭化成ファーマ社内研修会(長崎)講師「長崎くんちから学んだ長崎の歴史と、骨粗鬆症治療から学んだ慢性痛の治療」
12月:「痛み」トータルマネジメントフォーラムin県央(諫早)講師:「私の周術期疼痛コントロールと慢性痛治療」
12月:ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)5例目実施(於:長崎大学病院)
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2019年
1月:第30回長崎県理学療法学術大会(長崎)口演・共同演者:「脳卒中後痙性麻痺患者3症例におけるボツリヌス療法の経験」
3月:院内研究発表会司会、演題1「当院におけるボツリヌス療法の経験」、演題2「LTSF滅菌について 低温蒸気ホルムアルデヒド滅菌器を導入しての運用状況」、演題3「腰椎手術後にNRSを用いた疼痛緩和への取り組み」、伝達講習「自立支援のデイづくり」
5月:諫早医師会学術講演会(諫早)特別講演座長「神経障害性疼痛の薬物療法―診断のコツとポイント-」
8月:旭化成ファーマ社内研修会(長崎)講師「当科における骨粗鬆症治療」
12月:第6回九州・山口ITB療法カンファランス(福岡)参加
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2018年
1月:第30回長崎脊椎研究会(長崎)講師:「脊椎疾患におけるエコー下ブロックの実際」
3月:脊髄刺激療法(脊髄刺激装置植込術)施行
5月:第14回長崎麻酔研究会(長崎)口演:「脳性麻痺による痙縮に対し、バクロフェン髄注療法(ITB療法)が有効であった一症例」
6月:ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)2例目実施
11月:硬膜外腔癒着剥離術1例目実施
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2017年
2月:不眠診療セミナー(諫早)司会
3月:痛み・痺れに対する薬物治療を考える会(諫早)講師:「非特異的腰痛で終わらせない!」
7月:院内研修会司会:「回復期病棟の患者さんが「よくなる」ために~私たちが実践していること~」講師;東京湾岸リハビリテーション病院 リハビリテーション科 松浦大輔先生
7月:諫早痙縮治療セミナー(諫早)口演「ITB療法を始めます!~安全・適切な実施にご協力下さい~」
8月:ITB療法(バクロフェンポンプ植込み術)1例目実施
8月:ボツリヌス療法1例目実施
9月:科研製薬社内研修会(長崎)講師「肩痛の超音波診療」
11月:第103回長崎整形外科懇話会(長崎)口演「脳性麻痺による痙縮に対し、バクロフェン髄注療法(ITB療法)が有効であった一症例」
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2016年
3月:第3回運動器エコー研修会(長崎)講師:「私の頚部ブロック治療」
5月:全日病SQUE看護師特定行為研修(Eラーニング)講師:「痛みの診療」
7月:諫早医師会・健康市民講座『のんのこ健康大学』講師:「五十肩」
11月:日本運動器疼痛学会(東京)発表:「超音波ガイド下トリガーポイント注射」
12月:塩野義製薬社内研修会(長崎)講師:「当科の腰痛診療」
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2015年
7月:日本ペインクリニック学会第49回大会(大阪)発表「パルス高周波療法が著効した上殿皮神経障害の1症例」
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2014年
2月:南高医師会第1区勉強会(南島原)講演「変形を進行させない痛みの治療は可能か?」
5月:佐世保整形外科医学学術講演会~第3回 運動器の痛みを考える会~(佐世保)講演「変形を進行させない痛みの治療は可能か?」
11月:上五島地区学術講演会(上五島)講演「変形を進行させない痛みの治療は可能か?」
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2013年
3月:島原医師会学術講演会(島原)講演「セレコキシブの消炎効果を重視した痛みの治療」
7月:日本ペインクリニック学会(埼玉)発表「慢性腰痛にL2神経根パルス高周波が著効した1症例」
10月:イーライリリー製薬社内研修会(長崎)講師「骨粗鬆症治療を組み入れたペインクリニック」
10月:旭化成製薬/富田薬品社内研修会(諫早)講師「骨粗鬆症治療を組み入れたペインクリニック」
11月:長崎県医師会生涯教育認定講座「第2回痛みを考える会in佐世保」(佐世保)講演「セレコキシブの消炎効果を重視した痛みの治療」
11月:県央地区慢性疼痛懇話会(諫早)講演「非がん性慢性疼痛の機序と保存療法」
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2012年
6月:韓国ウリドゥル病院ペインクリニック科訪問、「硬膜外形成術」を見学
6月:院内研修会講師「神経ブロック療法」
7月:日本ペインクリニック学会(島根)発表「鏡視下肩関節包解離術後の難治性肩関節拘縮に対し、神経ブロック下非観血的授動術を施行した一症例」
9月:科研製薬社内研修会(長崎)講師「運動器の超音波診療」
11月:長崎整形外科懇話会(長崎)発表「頚肩腕痛に対する超音波ガイド下神経ブロック療法」
12月:アステラス製薬アドバイザリーミーティング(長崎)アドバイザー「腰痛症診療におけるNSAIDsの位置づけ」
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2011年
11月:院内研修会講師「麻酔を知ろう!」
論文(ペインクリニック関連)
医学論文(邦文)
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パルス高周波法が著効した上殿皮神経障害の1症例:日本ペインクリニック学会誌23(4), 555-558, 2016
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脊椎分離症における根症状の治療 円筒形レトラクターを使った顕微鏡下手術(TRM法)について:整形外科と災害外科 58(3), 346-350, 2009
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ITB(髄腔内バクロフェン)療法 日本における新しい重度痙縮の治療:日本薬理学雑誌 131(2), 109-114, 2008
医学論文(英文)
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S(+)-ketamine suppresses desensitization of γ-aminobutyric acid type B receptor-mediated signaling by inhibition of the interaction of γ-aminobutyric acid type B receptors with G protein-coupled receptor kinase 4 or 5. Anesthesiology. 2011 Feb;114(2):401-11
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Presence of GABA(B) receptors forming heterodimers with GABA(B1) and GABA(B2) subunits in human lower esophageal sphincter. J Pharmacol Sci. 2009 Nov;111(3):253-9. Epub 2009 Nov 6.
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mu-Opioid receptor forms a functional heterodimer with cannabinoid CB1 receptor: electrophysiological and FRET assay analysis. J Pharmacol Sci. 2008 Nov;108(3):308-19. Epub 2008 Nov 13.
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Desensitization of GABA(B) receptor signaling by formation of protein complexes of GABA(B2) subunit with GRK4 or GRK5. J Cell Physiol. 2007 Jan;210(1):237-45.
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Coupling of GABAB receptor GABAB2 subunit to G proteins: evidence from Xenopus oocyte and baby hamster kidney cell expression system. Am J Physiol Cell Physiol. 2006 Jan;290(1):C200-7. Epub 2005 Aug 24.
著書
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「本当は知っておきたい『痛み』と『健康』の関係性」 ながさきプレス 2023(10月号)
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「名医のいる病院2023 整形外科編」に紹介 医療新聞社.2022
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「本当は知っておきたい『痛み』と『健康』の関係性」 ながさきプレス 2021(10月号)
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「NMDA受容体拮抗薬の使い方は?」等 がん疼痛緩和ケアQ&A じほう,東京,2006
あとがき
1974年、風光明媚な関門海峡に臨む北九州市の門司に生まれた私は、幼い頃から戸ノ上山など恵まれた自然の中で毎日泥だらけになって遊んでいました。そして小学生のときはサッカー、中学はバレー、高校は空手、大学はラグビーで身体を鍛えました。これらスポーツを通して、まずは健康であること、怪我をしないこと、そして個々の能力向上とチームワークが、結果を出すために大切であると感じました。
中学生の時に祖父がガンで痛みにとても苦しみながら亡くなりました。また高校生の時に母もガンを患ったことが医師を目指すきっかけとなり、福岡県の小倉高等学校を卒業後、長崎大学医学部に進学しました。1999年、長崎大学病院麻酔科に入局後、手術やガンの『痛み』をいかに抑えるかにこだわりました。そして2003年、長崎大学大学院に進み、『薬理学』や『ペインクリニック』、『緩和医療』を学びながら、『重度痙縮治療・バクロフェン髄注療法の耐性制御法の開発』と、『難治性疼痛の新規鎮痛法の開発』をテーマに研究を行いました。
また大学院生の時にアルバイト先であった菅整形外科病院で『整形外科』の診療に大変興味を持ちました。当時の澄川耕二麻酔科教授と、菅整形外科病院の菅尚義理事長に無理をお願いして、大学院修了後の3年間、菅整形外科病院で整形外科診療を学びました。その後はまた長崎医療センター麻酔科に着任し、当時はまだ普及していなかった『超音波ガイド下末梢神経ブロック』に取り組みました。
2011年、菅整形外科病院に招いていただき、その後はこれまで『整形外科手術の麻酔』と『ペインクリニック』を並行して行ってきました。ペインクリニックでは、超音波装置、透視装置、MRI、CT、手術室を利用できる恵まれた環境の中、ブロック療法やハイドロリリース注射を始めとして、高周波熱凝固療法、パルス高周波法、凍結肩の非観血的関節授動術、ボツリヌス療法、バクロフェン髄注療法、硬膜外腔癒着剥離術、椎間板内酵素注入療法、PFC-FD療法、2mm切開ばね指手術など、痛みと痙縮に対する新しい治療法を次々に取り入れてきました。そして2021年に「ペインクリニック・整形外科」に標榜を改め、最近では、より治療が難しい痛みに対して、脊髄刺激療法にも取り組んでいます。少しでも痛みを和らげ、患者さんを元気にできるように、これからも技術向上に努めていきますので、今後ともよろしくお願い致します。
長崎くんちと私・・・
私生活では、平成24年から毎年「長崎くんち」に紋付袴で参加してきました。多くの人と関わり、多くの笑顔に励まされ、気の置けない仲間ができ、長崎の歴史も学ぶことができて、とても楽しんでいます。
今年はコロナ感染症のために5年ぶりとなりましたが、万才町さんで長男と一緒に長崎くんちに参加しました。「あっかとばい」や「長崎ぶらぶら節」など長崎ゆかりの曲から始まり、最後は出演者だけでなく、裏方や婦人部までみんなが踊り馬場に立ち、踊り「賑わい」を奉納しました。「賑わい」では観覧の方々も踊り出して、まさに会場が一体となって盛り上がりました。私も踊りながら、お諏訪さんに感謝し、感無量でした。
さて万才町の本踊りを指導されたのは、花柳寿々初師匠です。師匠はまた桜町小学校の「桜っ子くんち」の1年生の本踊りを毎年指導されています。今から16年前に踊町に引っ越してきましたが、長男が丁度1年生で、師匠の指導を受けています。入場してきた1年生が整然と正座し、長男の「今から1年生の本踊りを始めます!」の口上のあと、一斉に床に手をつき、深々と頭を下げる所作に感動し、その後、「ヨイヤー」、「ショモウヤレー」の掛け声の中、懸命に踊る子供たちに涙を流しながら感動しました。その思い出を師匠にお話しして、長男を紹介しましたら、「いにしえの弟子に会えた」と大層喜んでいただきました。私も長男もとても嬉しく写真を撮らせていただきました。
万才町さん、花柳寿々初師匠、とっても楽しかったです!ありがとうございました!